心に響く映画に巡り会えることができるamazon prime video。筆者が重視する「わかりやすさ」「世界観」「ワクワク感」「センス」そして大事な「オチ」で採点。
童心に帰りたい時に心の隙間を埋めてくれるような映画を皆さんにご紹介します。
プライムビデオには日本ではあまり知られていないけど、掘り出しものの世界的な名作が目白押しです。今日はどんな作品があなたを待っているでしょう?下のバナーからどうぞ!
アスファルト(2015 フランス)
わかりやすさ ★★★★☆4
世 界 観 ★★☆☆☆2
ワクワク感 ★★★☆☆3
セ ン ス ★★★★☆4
オ チ ★★★☆☆3
お気に入り度 ★★★★☆4 「これでいいんだ?」の中に不思議な満足感が
おすすめ度 ★★★☆☆3 ショートフィルムが好きな方には5
フランスにも日本のような団地あるんだ
これまでイメージしてきた煌びやかなフランスのイメージが一掃されました。日本の高度成長期に各地に建設され、最近はリノベーション物件としても再利用されつつあるコンクリートの団地。筆者も子供の頃は企業勤めの父親の仕事の関係で何棟も立ち並ぶコンクリート団地で育ったのを鮮明に覚えています。
この監督が幼少の頃の記憶を元に制作したということなので、映画の時代設定も同じような時代のイメージなのかな。団地のエレベーターがいよいよ寿命を迎え、住民が集まってお金を出しあって修理するかしないかという話し合いから映画はスタートします。
無声映画のように静かすぎる
古ぼけた団地と曇り空、登場人物達の笑みのない表情、そして覇気のない声。セリフも少なく静かに静かにストーリーは進んでいきます。静かすぎます。そう、BGMが一切ありません。
不思議な出会いがそれぞれの人間模様を生み出す
主人公となる人物は3名。母親が不在の少年、息子が不在の年配女性、エレベーターの修理代のカンパを拒否した自称カメラマンの中年男です。何か影を背負った3名にそれぞれ出会いが訪れます。普通の感覚ならうまくいくような気がしないし、こんなこと有りないでしょ?って設定だけど、それぞれその出会いをきっかけに共に時間を過ごすようになります。
写真はイメージです
いつの間にかのめり込んでる自分に気づく
ストーリーはただただ静かに流れていきます。たまに「えっ?」と思い吹き出してしまう場面がチラホラありますが、やっぱり静かに流れていきます。そしてそして、いつの間にかこの世界にのめり込んでいる自分に気がつくんです。
なんでしょうこの感じ。画面に出てくるものすべてが懐かしく親近感がある気がします。どこからくる親近感なんだろう…冷蔵庫やドア、椅子やテーブル、階段やドア、そしてどんよりとした曇り空。煌びやかで、自然が豊富で、人々の陽気な声と音楽が行き交うヨーロッパのイメージとのギャップが親近感につながっているのか…それとも何かを背負って生きている団地住民たちへの哀れみなのか…。
写真はイメージです
心地の良い余韻が残るエンディング
結局3つのストーリーがうまく繋がることもなく完結することもなく物語は終わります。しかしまぁ不思議な映画です。なんか素敵なショートフィルムを3本見終わったような気持ちです。なんなのでしょう…登場人物が発する言葉のひとつひとつが優しくもあり厳しくもある。覇気がないようで気持ちがある。もし日本人主演で日本の団地でこの作品をリメイクしたとしても、こうはならないだろうな〜と思えるフランス映画でした。
肝心のオチですがご安心ください。ありました。どういうことなのでしょう?それはご覧になった方々それぞれがしばらくの間、心地の良い余韻に浸ることができる素敵なオチだということだけ申しておきますね。
コメント